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フィンランドの普通の暮らし

この記事を書いた人:山本風音

大学でデザインや地域づくりを学んだあと、いろいろとふらふらしながら、今は自然体験や環境教育のNPOでスタッフをしています。自然のことを教えるというよりは、森や川で虫をとったり木に登ったり子どもたちと一緒に遊びながら、そういった仕事の合間に、昨年の冬はフィンランドに滞在して北欧の自然や暮らしの中に身を置いてみました。

そんなふうに自己紹介すると、よく「あぁ、自然系の人なんだね」という反応が返ってくるんですが、いやいや、そうなんだけど何か違う。僕は自然系でもナチュラリストでもなくて、恥ずかしながら花の名前も木の種類もあまり知らない。子どもたちから教わることもよくあります。

でもただ単純に、夕日が沈む瞬間のようなきれいな景色を目にしていたいし、身のまわりの自然の遊び方をたくさん知っていたい。そしてそれを近くの友達に小さく耳打ちするように、特別で普通の時間を一緒に過ごしたいと思う。僕は本当にただそれだけなんだと思います。

フィンランドに行ってからは特に、そんなことを強く思うようになりました。環境や教育の先進国だと言われる北欧には、実際に生活してみると拍子抜けしてしまうほどに、特別で先進的なことは何もしていない。そういった言葉さえ聞こえてこないくらいただただ普通に素朴に、彼らは周囲の自然と共に土に根ざした生活を送っているだけでした。

環境教育で限りある地球の資源のためにと身構えてしまう前に、普段の生活の中で身近な自然を楽しむことから始めたい。「おいしい」でつながるスローフードのように、それ以上の言葉がなくとも、「楽しい」でつながる自然の時間を仲間と一緒につくっていこうと思います。

* * *

次回からは、2ヶ月の滞在で見聞きし感じたフィンランドの普通で特別な暮らしを、写真一枚のフォトコラムで紹介します。