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ぎんがみのおにぎり

この記事を書いた人：アベミチコ

ぎんがみのおにぎり

母のアルミホイルにつつんだおにぎり

それは海苔べったりのぎんがみのおにぎり。
遠足といえば熱々のお番茶に、筋子の少し赤い汁が漏れているおにぎりが
最高の組み合わせでとてもうれしかった。

ずっとそれが一番と思っていた高校の頃、
同級生の大人びたお友達が
ラップに包んだゆかりを混ぜたおにぎりを持って来た。いや、おむすび。小ぶりなラップのおむすび。
衝撃的だった。
食べてはまたギュッとにぎり
どんどん小さくなるゆかりのおむすび。
なんてかわいいんだ。

本当は暗い昭和の曲が好きなのに、友達にあわせて光GENJIを好きなふりをしたように
筋子のぎんがみ海苔べったりおにぎりをちょっと恥ずかしく感じた。

でも続かなかった。
その友達にも心開けず、卒業まで上っ面の会話をして自分を装った。

いまでもおにぎりは海苔べったりの筋子の銀紙おにぎりナンバーワン！

自分に素直に、好きなものを世間に流されずにいたいと思う。
あるようでない、なかなかやってこない「好き」という気持ちを隠すことなくいたいと思う。

なんとこれを書いてわかったこと。
ずっと一緒に働いてくれているHちゃんちも、銀紙の海苔べったりおにぎりに熱々のお番茶と今日知った。

＊上のイラストの右下の「サ」は鮭入りですよ、という母のやさしさ