一覧

栓抜き

この記事を書いた人：アベミチコ

栓抜き

そんなに収集癖はないけれどなぜか栓抜きを集めてしまう。
こんなにあるのに一年で使うのは多くて５回ほど。
一個一個がずっしりと重いこの道具。
どこの家庭にもあったこの道具。
どこに惹かれるのだろう。


小さいころ、生活にはいつも栓抜きがあった。
茶箪笥には親が買ったと思われる栓抜きや、景品やお土産物の栓抜き。
飾ってもたのしい栓抜き、ちょっと恥ずかしい栓抜きなど
いろいろあった。

コーラなどのジュースや瓶ビールなど「開けさせて」とわがままを言って
「シュ、、、シュ、、ポ」というにぶい音と飛んでいく王冠。
そして瓶を支える手も力がなく少しこぼしたり倒したり。
怒られるのにやりたい。
いつかはきちんと開けられるだろうと思ったけど
やっぱりまだ失敗はたまにある。（ほろ酔いで開けてるってこともあるけれど。）
最近父が良くないせいか夢に元気な父が出てくる。
その父は男らしくさっと栓を開ける。

テレビでよくやる〝グッとくる、頼りたくなる、セクシーな仕草〟に「栓抜き」も入れて欲しい。
とにかく何故だか小さな頃から心がそわそわする飾り物で道具、栓抜きだった。


最近はいろいろなものが便利になって
早くて無駄がなくて、間違いのないように進むことが良いとされている、
気がする。

何かを作業するときに必要だったモノやコトや人が不必要になって、
そうすると一緒に、心の余裕や遊びや穏やかさもなくなっていっているのではないだろうか。
とても寂しい。

こんな時代だからこそ
わたしはまだ昔を引きずる栓抜きを集めてしまうのかもしれない。

ってそんな深い話じゃないか。
とにかく瓶ビールが好きなんです。
だから栓抜きが・・・