menu
大地とのつながりを楽しめば、世界を変えられる(スマートフォン)

コミュニティ通貨”ロコ”

一覧

イベントイメージ01

コニュニティ通貨「ロコ」とは

この記事を書いた人:山本敬介

「会うための通貨“ロコ”」

 「お金」は便利だ。お金さえ手元にあれば、望むモノやサービスが簡単に手に入る。お金の魔力に取り憑かれた人は、どんなに関係性を傷つけてもお金を得ようとする。それはお金で関係性までも買えると信じているからだ。

 お金を介さない経済に、物々交換がある。モノとモノとの交換は、その尺度を正確に表すことができないので、価値の交換という意味ではとてもアバウトだ。しかしそのアバウトさの中に「相手に喜んでもらいたい」という気持ちが加えられている。即ちそれは、モノとモノの交換に留まらない、モノと気持ちの交換でもある。

 お金があっても、それをモノやサービスに、いつでもどこでも替えられるようになったのはつい最近のこと。日本ではコンビニとインターネット、そして宅配がそれを実現している。昔はお金があってもどうしようもないことが多くあった。そんな時、人は人を頼り、頼られた人は、別の機会にまた頼る。コミュニティがそれを支えていたとも言えるし、それによってコミュニティができていたとも言える。「お醤油をお隣に借りてくる」という体験は、すでに昭和を知る人だけのものになった。

 お金はさらに進化?を遂げる。実際のお金を持つことなく、コンピュータ上の数字だけが空中を「チャリーン」と行き交う。バーチャルなマネーが、人間が生きていくために欠かせない水や土地、種までも翻弄する。

 LoCoTAble(ロコタブル)は、ローカルのテーブルで、さまざまな交流や議論の機会を作ってきた。大地を尊重し、大地を汚さず、大地とのつながりを志向する個人や団体は、語り合うことで未来像を共有し、共に行動する。Webによるプラットフォームは、あくまでもきっかけづくり。人と人は会うことでのみ、持続可能な関係性を構築できる。

 LoCoTAbleの目的のひとつに「新しい経済の仕組みへのアプローチ」があり、コミュニティ内で物を売買するための「エコマネー」導入を決めた。しかしただ売買するのであればお金を使えば良いこと。試行錯誤の末たどりついたのが「会うための通貨」という考え方だ。

 何時間もかけてわざわざ会いに行く、そして、その土地ならではのモノやサービスに出会う。そして何よりも「共通の思いを抱いているヒト」に会う。通貨“ロコ”は、お金よりも不便であるがゆえに、お金にはない価値を与えてくれる。 “ロコ”はきっかけを作ってくれる。

 この取り組みはまだ始まったばかり。「会うための通貨」が広い北海道で、どんな出会いを生み出していくのか。