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スプーンに小さなカレー

この記事を書いた人:アベミチコ

スプーンに小さなカレー

こんなことして食べる人はいるのだろうか。
スプーンをお皿として見る世界。

スプーンに半分のご飯、半分のカレー、そして福神漬けをちょこんとのせる。
それを一口で食べる。
小さな頃はそこに世界が見えていた。

と言う今も、小皿に小さなカレーを作って、ティースプーンで食べている。
なんでかと言われても、うまく説明できないけど
カレーとご飯が混ざらずに、半々の世界を大切に大切に感じたい・・・のか。
自分でもよくわからない。

親子丼や豚丼ではそういうことをしない。
カレーだけ。
何かおままごとをしているような
現実から遮断された楽しい世界に飛んでいくような。

カレーといえば20年前に食べたカレーが忘れられない。
写真館で働いていた頃、毎日お弁当を作って持って行っていた。
毎日ギリギリだったので見せられるもんじゃない中身。
前の日に食べた焼うどんの残りや、ご飯に海苔だけなど。
でも自転車で約6キロの距離を通っていた私には
何食べてもおいしかった。

そこでたまに社長の奥さんがカレーを出してくれた。
ニンニクと言うものに興味がなかった頃、そのカレーにはニンニクのスライスが入っていて
ちょっと硬めで濃い色のカレー。
家では出せない味のカレー。
おかわりしたいのに恥ずかしくて言えなかったあの頃。

あぁ、図太くなったもんだ。
今ならどうやって作るのか、おかわり欲しい、持って帰りたいなど・・・
なんでも言っちゃってる。

あの頃の私が今の私を知ったらどう思うだろう。
ごめんなさい、あの頃の私。

今はルーを使わず毎回違うカレーを作っちゃうので
普通のカレーがとてもおいしい。
ルーを使って普通のカレーをって思うけどどうしてもアレンジしてしまう。
アレンジしすぎて一体これはなんだ?と言うときもある。

でもどんなカレーを食べる時も小さなティースプーンで
違う世界を味わってしまう。