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ロコタブル第1回ローカリゼーションカフェ 詳細報告20170303

この記事を書いた人:山本敬介

20170303ロコタブル・ミーティング
参加者(敬称略)
湯浅、中本、宇井、大町、山本、高橋(スロー)、エップ、陽平(メノビレッジ)、坂本、佐藤、志村、田村、金澤、森下(エコビレッジ)、尾森、大倉、村田、えり(余市)、三田(仁木)、ミリケン(赤井川)、曽我井(瀬棚)、阿部(箱根)、上田(函館)、(江別)

2017年のロコタブル、キーワードはローカリゼーション。
グローバル経済にもとづくグローバル社会に対抗して、もっと小さく、ゆっくり、そしてローカルに、顔の見える関係を大切にしていこうという動きにフォーカスして、連続ミーティングを開催します。

第1回ミーティングは余市エコビレッジにて開かれましたので、その様子を共有します。
今回は、ナマケモノ倶楽部の辻信一さんをゲストに、道内各地から総勢30名近くの参加者が集まりました。

第一部は参加者それぞれ地域の食材を持ち寄り、共同調理。初めて会う人同士も、一緒に調理をしながら話が弾みました。襟裳の短角牛や、新得の蕎麦。野菜のブイヤベース、出汁巻き卵やデザートのケーキは余市の食材です。「スロウ」で「ローカル」な食べ物たちが集まり、大変豪華な食卓となりました。

お食事をしながら、曽我井さん(山の会)、エップ・レイモンドさん(メノビレッジ長沼)、 高橋祐之(襟裳短角牛生産者)の報告をお聞きしました。グローバルな経済の波は北海道の小さな町も確実に蝕んでおり、それに対抗する地域の取り組みについて語っていただきましたが、時間が少なくて残念だったという声も。

そして、メインゲスト辻信一さん(ナマケモノ倶楽部)のプレゼンテーション。
ナマケモノを比喩に、「スピード」や「効率」ばかりが重視されているこのグローバル社会に対して、「slow」「small」「simple」になることの大切さなどをお話頂きました。

大きなもの強いものに巻かれながら、より狭い視野に陥っていくグローバルな世界。一方、ローカルは、小さくてゆっくりでも、いろいろな分野がつながり、しっかりした人間関係に支えられて豊かな世界が築ける。
最近の環境破壊や世界情勢のニュースは、胸が苦しくなるようなものばかりですが、「地元で、ゆっくり」と育まれる食べ物や顔の見えるコミュニティ、「勝ち負け」のない関係など、「ローカリゼーション」にこれからの世界の希望を見つけられる。というお話に気持ちが明るくなりました。

私たちの世代は人類史上経験したことのない課題に取り組んでいるという厳しい状況を認識しながら、少しずつでもよい方向に向かっていけるよう、仲間をつくり、勇気を持って行動していこうという勇気をもらいました。
20170304 ロコタブル打ち合わせ

参加者:
辻、湯浅、曽我井、大町、宇井、中本(スロー)、坂本、佐藤、志村、森下、村田、大倉、(エコビレッジ)、エップ・レイモンド、陽平(メノビレッジ)

■ミーティングの名称について
言葉はそれぞれの文化や活動を反映してよいが、運動として広げようとした場合、共通の言語が必要ではないか。

・ローカリゼーションやローカル、スロウという言葉の良い日本語訳がない。
・「ロコタブル」「トランジション」はまだ一般的に馴染みがなくてわかりにくい。
・「スロウ」=ぼちぼち
⇒ローカリゼーションが一番わかりやすい。

■ミーティングのスタイルについて
・会議形式ではなく、お茶を飲んだり、食事をしながら打ち解けて話し合うカフェスタイルがいい。
今回の会議は一緒に料理をしたり、食べるという行為があったことで、よりカジュアルに交流ができ、話にも集中できてよかった。

・音楽、落語など参加者がリラックスできるツールも大事。

・飲食と泊まりを含めて話し合える会場と受け入れ団体を探し、道内各地で連続開催したい。
(候補)大沼、占冠、東川など。次回は大沼(どさんこミュゼ)か。

・イベントの繰り返し、同じ顔ぶれの集まりでは行き詰まる。スペシャルゲストがほしい。

・考え方の違う人、古い人をどう巻き込むか。参加しやすい役割や具体的な居場所を作って誘う。決して否定したり、批難したりしない。

・特別に高い意識や予備知識がなくても、具体的に体験しながら「これがスロウな暮らしだ」「ローカルのよさだ」と気づくような機会を作る。

・学生など若者はイベントの準備や運営を通して参加してもらうのがよい。大学のゼミやサークルに声かけをする。

・毎回、地域や参加者の手作り品を集めた小さなマーケットがあったら楽しい。ロコも使えるように。


■ロコタブルに求められていること
・ローカリゼーションについて学びたいと思った時に、どこから手をつければいいのか分からない人が多い。ワード索引のようなものや、参考図書、映画のリストなどあったら嬉しい。

・一方で、情報を持っている側も、何が求められている情報なのかが分からない。双方のコミュニケーションが大事。

・ホームページでイベント報告や対話の経緯を共有する。各開催地がそれぞれコンテンツをまとめる。

・ローカリゼーションカフェも、回を重ねるごとに少しずつ積み重ねがわかるように進めたい。

■11月の国際会議に向けて
総論(問題の背景や全体像)と各論(アクション)の両方が重要。

 1,全体像(総論)
 2,テーマ毎の各論 (食べ物、エネルギー、福祉など)
 3,地域毎の話(全国の先進事例)

・道内のブースを設けて、北海道の特徴や魅力を反映した活動やメッセージを発信しよう。
「世界に向けて発信する」ということを考えると、世界の中での自分の立ち位置が分かってくる。

・各地の活動を映像にしてはどうか。撮影をすべて外注するのは難しいが、それぞれで撮った簡易なものを寄せ集める。編集だけ有償でお願いする。(候補:メノビレッジ、カズ君)

イベント参加者の声

・料理交流会から参加したのですが、野菜の皮からダシを取るとか、陰と陽の性質を利用した調理法とか私にとっては驚きばかりでした(*゜Q゜*) ❗
ミーティングの中では、現在の経済システムの危うさを悲観するようなお話もありましたが、
ライフワークバランスが問われるなど、「効率重視」の世の中が少しずつ変わり始めていると私は感じています。
そして、素晴らしい「ローカル」はまさにDMOに不可欠な地盤なのだと再確認。インバウンド含め、様々な物事の「余市にとってちょうど良いサイズ」を見つけていきたいですね
今のところ非スローライフな生活をしており、現代の経済システムのスピード感溢れる中で仕事をするのは忙しいですが、面白さがあるとも感じています。
現代社会の便利さ、そしてスローライフの素晴らしさ。その両方を自分で選択出来る今の世の中をとても素敵だなと思います。完全なスローライフに移行するのは無理であっても、そのエッセンスを取り入れた「スローライフ的」な生活をしてみたいな~と思いました。(余市女性)

・日常のさまざまなプレッシャーの中だと息詰まりを感じるので、同じようなことを考えている人々と交流するのは素晴らしい機会でした。企画・準備してくれたみなさん、ありがとうございました。(長沼男性)

・各スピーカーのプレゼンが短かった。人の名前や英語など言葉の予備知識がなくて、理解しにくいところがありました。(余市女性)

・さまざまな方に会え、こらからの未来についてディスカッションをし、一緒の時間を過ごせたこと、良い時間でした。
いろいろな思いを巡らせ、どうやって地域を巻き込み、幸せな環境をつくっていくか考えさせられました。
私に出来ることは、食を通して地域に貢献すること。かな。(余市女性)

・初めて会う人同士も、一緒に調理をしながらだと話が弾みます。短角牛や、野菜のブイヤベース、出汁巻き卵にデザートのケーキまで…「スロウ」で「ローカル」な食べ物たちが集まり、大変豪華でした。
辻さんのお話では、ナマケモノを喩にしながら、「スピード」や「効率」ばかりが重視されているこのグローバル社会に対して、「slow」「small」「simple」になることの大切さなどを知りました。(余市女性)

・余市「北海道エコビレッジ推進プロジェクト」にて「LoCoTAbleミーティング」に参加しました。
ローカリゼーションの在り方や方向性を指し示してくれる先輩達や、思いを共有する方達のお話は、一言一言が参考にも勉強にもなる事ばかりで、参加させていただけて、本当にありがとうございました。
子連れ移住して11年。個人から夫婦へ、子育て家族へ、子育て仲間へ、学校へ、地域との繋がりへ、、、と少しずつ広がってきたローカルな人間関係のリアル。
普段の暮らしにはちっとも関係ないようなグローバリゼーションの波しぶきを浴びざるを得ない事に押しつぶされず、お金には換算しようのない、確かなロコタブルな価値観にもっと自信持っていきたいです。
そういう等身大の温かい経済の新しい仕組みが根を張って行くことを信じて、コツコツと一歩一歩進んでいこうと思いました。
仲間がこんなにいるんだし。
ここにも、地域にも。たぶん世界中にも。(函館女性)