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猿払日記

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年の瀬の独白。

この記事を書いた人:有吉里生

お久しぶりです。
前回の更新日から三ヶ月近く経ちました。

少なくとも月一以上、書くぞ!の意気込みは、冬の到来とともに何処かへ行きました。風に飛ばされたか、穴掘って冬眠してますきっと。

あの、ごめんなさい。決して忘れていたわけではないんです。冬の仕事って夏と比べて、日常のひとつひとつがハードにレベルアップするんです。理由はただひとつ。寒いから。
雪が降れば除雪、積もった雪は凍るし牛舎の扉は重く動かなくなる。バーンクリーナーにこびりついた糞も、硬く凍てつき巌のごとし。それをツルハシで砕かねばならぬ。眼鏡はくもり、あげくに暴風雪がきた日には顔が死にました。いやもう死にそうでした。ほんと。

なので書くのを忘れていたのではありません。書く気力を冬の寒さに奪われていただけです。はい。すみません。

しかし農家は自然相手の仕事なので、特に冬には、その猛威を思い知りますね。神に見立てて鎮めの儀式したくなる気がわかります。

ところで年の瀬です。一年は早いですね!明日から2017という新たな年がはじまりますね!!
しかし!牛飼いの仕事に携わり始めてから、盆もクリスマスも年の瀬も、果ては明日からの正月も、正直「ああ、そういえば今日だったか。」程度の認識です。2016年もあと二時間で終わりだというのに、なんて無感動。
だってせう、牛どもはいつだって「搾って-。お腹すいた-。」です。搾乳して餌運んで糞落としてが365日です。牛に合わせていると、一年のイベントは人間の気持ちで決めたに過ぎないんだなあと変な気持ちになります。

そして今年度もあと三ヶ月ですね。今更ですがよく自分この仕事つとまってるなと思います。いや決してやる気がなかったわけではなく、よく身体を壊さずにいられたなと。てか壊れました、何回か。特に四五六月は忘れもしない、ノロにはじまり腱鞘炎にクリプトに皮膚病に、仕事をしてるか寝てるかみたいな状態で、してこないだ冬にははじめて「ぎっくり腰」になりました。
俺、おじいちゃんみたい…!
いやほんとヤバいですよぎっくり腰。立ってても激痛、寝てても激痛。動いても動かなくてもalways激痛。家でベッドで寝込んでるときの「あ、トイレ行きたいかも」の気持ちと一緒に来る絶望感、想像つきますか?トイレに行くとはすなわち、ベッドから起き上がり、トイレまで歩き、腰をおろさねばならぬということ。事の終わりには何かを成し遂げた感ありましたね。戦い抜いたぞ俺は。この痛みと。みたいな。つまりこの敵はぎっくり腰なんて間抜けな名ではない、Hexenschuss(魔女の一撃)だ。みたいな。

つまり、何回か壊れた身体をきちんと修復できたのは、ひとえに牧場の親方とご家族のおかげでした!ほんとにこの牧場に来て良かった…!別の牧場だったらたぶん、体壊して札幌帰ってました、きっと。ありがとうございます。

四月からの勤務先ですか?何をどうするか、現状まだ白紙です。しかしこれは、自ずと決まるでしょう。求められる場所に就きたいなと思っています。

2016を振り返ったら。激動すぎて書き切れません。なので振り返りません。常に前を見て、前進し続けていればよいのだ!
ただわかったことは、肉体はきちんと自己管理すれば使い物になること、つまり自炊と睡眠は大事だということ、大切なのは結論ではなく考え挑み続ける姿勢だということ、言葉は力を持ちつまり暴力だって奮えるということ、自己犠牲は無理だし続かないということ、後半何のこと言ってるかわからないですよね、いいんですここだけは僕の備忘録なので。

そしてひとつ。僕は結果的に牛飼いになれなくたっていいです。要は楽しくなければやってられない。ただ牛飼いの人たちは格好いいと思うから、プロの牛飼いを目指す姿勢は保ち努力し続けたい。

そしてもうひとつ。僕はこの猿払という村がどうも好きになっているようです。飲み屋も娯楽も何もありませんが、人がいます。戦国時代の武将さながらの列強たちが村中に散らばっているような。人の間を強風が吹き抜けているような、からっとした気持ちの良いこの雰囲気は居心地がいいです。来年も居たいなあと思っています。

ということで。
2016はたいへんお世話になりました!!
2017もどうぞよろしくお願いします!!

この写真ですか?
うちの牛舎猫です。イケメンですよね。額にわら付いてますが、超甘えたなうちのイケメンをさいごにお納めください。ではでは。

p.s.
今日お誕生日の方へ。
一年の最後の日に産まれたのは何か不思議な特別な感じがしてなんだか面白いですよね!またよい1年をお過ごしください。おめでとうございます!