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いかのゴロ

この記事を書いた人:アベミチコ

いかのゴロ

「いかは食べられるために存在している。」と、何度言いながら食べたことか。
胴体にある細い骨と、トンビとカラスという名前の口の中の骨以外全部食べてしまう。
小さくても大きくてもゴロはおいしい。
塩辛なんて自分の体で自分を美味しくしちゃうんだもの。
冷凍したゴロのルイベもいい。
焼いても煮込んでも。いかフライも好き。天ぷらもいい。
想像しただけで熱燗をきゅっとしたくなる。

中学生の頃、生のいかをさばき、ゴロとネギの青い部分と醤油でいかを煮込んで食べたことがあった。
憧れのあの味だったか、それを食べた時の感動を今でも思い出す。
どこでそんな味を知ったのだろう。
もう将来がどんなことになるか想像できる。

中学の家庭科でホワイトソースを習った時も、
家に帰って夕飯にホワイトソースをいかにかけてみた。
おいしいというかちょっと生臭い白いものが出来上がった。
家庭科の先生に、いろいろ試してみることはいいですね。って褒められた?のも覚えてる。

このイラストの“ゴロ入り干しいか”は旭川にある独酌三四郎さんで知ったもの。
ゴロを入れたまま干してある。
これを食べた時の衝撃といったら!
食べた途端、輪っかになったいかの隙間から凝縮されたゴロがブニューとと出てくる。
あのふっくらしたゴロがぺっちゃんこになっているんだもの。
プチシューを食べたような感動というか、なんていうか。
甘いものを食べない私からするとそれより数倍感動だけど。

幸せとは人と同じものではなく、人と比べるものでもなく
自分の中にあるものにある。
私はやや生臭くてしょっぱい素材をかじっている時がとても幸せだ。
誰かにこれを強要することはないけれど
偶然でも一緒に食べた方が「おいしい」って思うものが同じだと
もっともっと幸せだ。
その反対で、おいしいよ!と進めて手をつけないと寂しい。あ、寂しいことは考えない。

さて!年末、飲み過ぎ食べ過ぎ注意だけど
あとひと月、何個おいしいものをかじれるだろうか。