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しょっぱいさけ

この記事を書いた人：アベミチコ

しょっぱいさけ

釧路にいるころは「さけ」だったのに
旭川に来るとみんなが「しゃけ」と呼ぶのにびっくりした鮭。
塩鮭、ムニエル、ソテー、フライ、いろいろあるけど
私が大好きなのは

「しょっぱいさけ」

うちの両親は漁船などの造船所で働いていたころ、
「魚はもらうもの。」そう思ってしまうくらい毎週魚が家に届き、
「また魚か」なんて思うくらい贅沢な時でした。

学校から帰ると台所のシンクには塩抜きするため
水に浸かさった山漬けの一匹まんまの鮭。
そんなんが普通だった。

焼くと白いぷちぷちが浮き、
ちょっとつまむだけでご飯が進む。
あのころはその「しょっぱいさけ」、
特に皮と血合い部分、そしてハラスに
白いご飯と水の組み合わせが大好物でした。

小１のころか、はじめて握ったおにぎりも
しょっぱいさけを入れた海苔なしのおにぎり。
庭仕事をしている両親に
窓を開けて小皿にのせて渡す・・・
いまでもふっと浮かぶあのころ。

それにしても
いまの生活は仕事と寝るだけの毎日。
食がこんな好きなのになにも作れてない。
なんでこんなことになっちゃったんだろう。

食に興味がなくなると生活も崩れて行く。
いましみじみ感じています。

イラストは先日父が入院したので
急遽釧路の実家に帰って食べた
ややしょっぱいさけ。

これからは実家と家の往復がもっともっと増えます。
親にとって私の代わりはいないから。
ずっと落ちこぼれの私を、親に少しでも良かったと思ってもらえるように。

あぁ、目からしょっぱいのが…。
なーんて、今はあの頃のような「しょっぱいさけ」も売ってないのに
しょっぱい気持ちだけはしっかりとあるのね。