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アボガード

この記事を書いた人:アベミチコ

アボガード

始めて食べたのはいつだったろう。
旭川に来てからだから20年くらい前かな。
アボカド?アボガド?名前もよくわからず
おいしいかどうかもわからずおしゃれだと思って食べていた。

数年前に購入した監督伊丹十三DVDセット。
「お葬式」「タンポポ」「マルサの女」「マルサの女2」「あげまん」が入ってる。
10代で観た「タンポポ」は伊丹十三も知らない私の人生を変えた。
作る事も食べる事も「食」がこんなに楽しく、奥深く、人それぞれで欲が違い
生き甲斐でもあり、エロくもある。
興味津々の10代には刺激的!・・・・その話しはまた今度で。

そのセットの中にある初監督作品「お葬式」。
それ以外の映画は全て観たことがあったけれど、
「お葬式」は暗いイメージでちゃんと見たことが無かった。
しかし先日すてきな知り合いから「お葬式」の話し聞いて
しっかり観てみた。

想像していた暗さは無く、また「おくりびと」のような凛とした空気のお葬式とは全く違う。
内容は突然嫁の父の死に見舞われた夫婦が、まわりの人々の助けを借りながら葬儀を終えるまでを描いた作品。
初めての事だらけで戸惑う中、家族のあたたかさも笑いもあり、とにかく細かい部分が人間らしい。やはり伊丹作品!
ちょっとアーティスティック。モノクロ部分は浅井慎平さん!

実際、伊丹十三さんが奥さんの宮本信子さんの父親の死で初めて喪主を経験し、すぐに脚本を書き上げ半年後に映画を作ったとのこと。
そりゃリアルですよね。

なんでこの映画の話しをしたかと言うと、冒頭に「ロースハムとアボガードとうなぎ」が出てくるのです。
その中でも年老いた男性がアボカドに正油をかけ、スプーンですくって夢中で食べる。
例えて言うなら映画「○もめ食堂」のような美しいの正反対。
ガチャガチャ音がして、がさつ。
だけどおいしそうなんです。

最近はアボカドのすてきな料理がいろいろありますが
やっぱり熟したものをそのままわさび醤油で食べるのが私の一番かな。
・・・ズボラなだけか。

お葬式(1984年)
監督 伊丹十三