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猿払日記、4月。ごあいさつ。
この記事を書いた人:有吉里生
はじめまして。
日本最北の村、猿払村で牧場の従業員として働いています。札幌市出身、24歳、男です。先月に北海道大学を卒業し、ここで働きはじめました。
田舎の牧場で働く都会出身の若僧が、日々から何を感じ考えるのか、綴れればと思います。どうぞよろしくお願いします。
さて牧場で働きはじめてまだおよそ一週間ちょっとです。が、もういろんな出来事が怒濤の様に迫ってきます。
皆さん子牛の除角(じょかく)ってご存じですか??
牛って、角が生えるんです。けっこう立派なのが。でも人が怪我して危ないので、まだ小さな子牛のうちにその角を切るんです。
3日前くらいに、それを手伝いました。
いやー、すさまじかったですね!!
除角の手順ですが、まず角を切ります。
でっかいペンチみたいな奴で、ザクッと。
子牛、悲鳴をあげます。
つぎに成長点(成長する部分。角の生え際)を焼きます。
焼きゴテで、ジューッと。
子牛、悲鳴をあげて暴れます。
…もうあたりは血まみれです。
僕は逃げ回る子牛を投げ縄でつかまえて、押さえ込んで柵に縛りつける担当。それを親方が、ザクッとして、ジューッとする担当。
5頭やりました。
終わったら僕も子牛もぐったり。
やりたくない仕事だが、やらなきゃいけない仕事だと、親方は教えてくれます。ペットじゃないんだ、と。
また、もう一つ。昨日、子牛が1頭死にました。
否、殺処分したのだそうです。
腸が途中で途切れている奇形の子だったそうで、どのみち生きることはできませんでした。なので、処分。
僕はカーフハッチ(子牛の寝場所)から死んだその子牛を抱き上げて、そりに乗せて、運びました。死体って、重くて固いんです。毛の生えた大理石を抱えた気分でした。
生きることも死ぬことも食べることも当たり前。
経済動物だから、角切るのも殺処分も当たり前。
…僕は少し違うと感じます。
こんな職場ですので、牛乳は飲み放題です。それが美味しくて美味しくて。笑
そりゃそうですね、搾りたてですから。一日2Lは消費しています。この美味しさは、有り難いです。当たり前ではなく。
毎日ごちそうさまです!
あともう一つおまけ。
親方が漁師さんから貰ったホタテを、僕にも分けてくれました。というよりは、欲しい分自分でさばいてもってけ!食べれ!うまいぞ!と言ってくれたんです。
ということでさばきました。生きたホタテを。
指はさんできやがるし。なまら痛いし。
殻はがして持ったらぐねぐね動くし。
心臓が脈打ってるのわかるんですよ?
さばきました。さばきたてを食べました。
めーーーーーっちゃウマかったです!!!!
ごちそうさまでした。笑
写真は僕がさばいたホタテと、うちの牧場の牛。
こんな感じで、僕は猿払で楽しく生きてます。
そういえば日本で四番目に裕福な自治体なんだそう。すげえな、猿払。いいところですよー!
ではまた!
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猿払村のある牧場従業員 Riu