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グスベリ
この記事を書いた人:アベミチコ
グスベリ
先日ある取材で行ったお肉屋さんの冷蔵庫に
とても懐かしいものを見つけた。
なんだったか、えっとカリンズ?、、、いやグスベリだ!
懐かしい!どんな味だったか。それも赤くなかった?
これは緑色だ。なぜここに!
取材中、それが気になって気になって。
上の空になりそうな気持ちを必死に仕事バージョンに戻す。
それを繰り替えして、やっと一旦休憩になった途端店主に聞いた。
「あのすみません、このグスベリ、どうするんですか。お肉に関係あるのですか」
すると店主は少し照れながら
「これ自宅用で、塩でさっともんでお酒のつまみにするんだよ」
えーーーーー!
そんな食べ方聞いたことない!!!知らない!
顔に「食べたい」と書いてあったのか
店主がさっと洗って出してくれた。
「むむ・・・・さわやかでおいしい!大人のおやつだ!」
果物というか野菜というか、なんだろうこの初めての感覚。
小さな頃、家の庭にいつもたわわになっていたグスベリ。
赤くなってから食べるその実は、渋くてすっぱくて、でもその奥にほんのり甘さ。
皮は「ペッ」と土に出す。
おいしいわけではないけれど楽しいおやつだったと思う。
帰り道のツツジの蜜もそうだった。
今は人の家の花の蜜を吸ったよー、なんてSNSにのせただけで非難殺到。
息苦しい時代。
日常生活は自分のもので、人の反応を期待するものではないはず。
周りを気にして生活するのは大変だ。
数少ない大切な人と、ニヤっと楽しむことができたなら
それは私にとって一番の幸せだと思うのです。
グスベリから重い話になっちゃいました。