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かま凹
この記事を書いた人:アベミチコ
かま凹
旭川に来たのは23年前。
山の上の大学に。
親からお金は送ってもらってはいたが
貧乏だった。
蟹なしかに玉、葱のみお好み焼き、
ルーのみのBOKU風カレー、
1日かけて小麦粉こねたうどん、シイタケ石づきだけの雑炊など
いまでも作る貧乏メニュー。
工夫が楽しくて発見もあって。
素材が全部揃ってできるものを食べるより感動した。
いまでは食べたいものはお金払って食べる。
素材だってお金払ったら通販できちゃう。
お店の人に上から目線のときもある。
でもどんな料理だったか忘れてしまうこともある。
だめな人間になったもんだよ。
心の貧乏だよ。
あのころは楽しかった。
いっつも笑ったり泣いたり怒ったり悩んだり
逃げたりぶつかったり
反省したりしなかったり。
お腹減ったり酔っぱらったり。
ま、今でも似たようなものですが
かなり抑えて生活してる。
そんな昔の話しを脳から消し去ったころ
ふたつ下の後輩が奥さんと娘二人と小田原から遊びに来た。
12年前に旭川にちらっと寄った時に会った以来。
居酒屋へ行き、お刺身やとうもろこしのかき揚げなどの夕飯を食べ、
お酒を交わし、また居酒屋へ行き、そして〆はジンギスカン(また食べるのかい!)
笑って食べて飲んでいっぱい話した。
ふと胸に〝ありがたい~〟がいっぱいになり溢れそうになるのをごまかして。
貧乏なころとは違う
大人な食と酒の時間を楽しくすごしている私たちがいた。
お別れのとき泣きそうになっちゃうから、ふざけて軽くお別れ言っちゃった。
ちゃんと涙を流しながら感謝を言える時はくるのだろうか。
イラストは彼らからのおみやげ、小田原のかまぼこ。
とってもおいしかったし、すてきなパッケージだった。
今度はわたしが遊びに行こう。